岡田条子:理事 自己紹介

皆さま、こんにちは。理事の岡田条子(みちこ)です。

当協会での役割は、入会いただきました会員様へのウエルカムメールを始め、ホームスクールに関するご相談の承りFacebook記事の投稿等させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

私は元HOSA会員で、我が子をホ-ムスク-ルで学ばせた経験があります。

私と子どもは共に、学校制度自体を否定するものではありません。しかし、自らの学習ニーズに学校は合わないと早くに認識した子どもに対し、より適した学びの環境であるホームスクールという学習方法に出会う事が出来たのは私たち親子にとり非常な幸運でした。また、親子ともに自然にデスクーリングの境地(当時はそのような概念も知らないまま)に至れていた事も、その後の学校や地元の小中学生との関係に支障を成さず穏やかに交流できた理由の一つであったと振り返ります。

ただ、国内ではフリースクールという言葉さえ馴染みのなかった時代です。お手本となる情報の少なさの中で、地域密着型、対人関係を重視した我が家なりのホームスクールを実践する手法を確立する事には大変な苦労と努力、そして試行錯誤がありました。ある海外の方から贈られた「貴女の苦労はパイオニアなのだからこそ、自力で道を開く気概が必要」とのエ―ル。その言葉がいつも我が家を支えてくれていました。ですから、重ねた苦労や試行錯誤に対する後悔は微塵もありません。あの件はこうする事も出来たのでは等々残念に思う事は今でもあります。ホームスクールが軌道に乗ってこれからという所で、私が病に倒れ中断するしかなかった事もその一つです。それでも私たちは、理解者や支援者、同じホームスクールを実践する仲間に恵まれて、5年間実践できました。

その後、子どもは再び学校に通う事になりましたが、学校よりホームスクールのほうが子どもにとっては学習効果が高い事はやはり歴然としていました。なにより、5年間学校から離れていながら子どもの社会性や集団生活に対する適応力に問題がない事、むしろ周囲の同級生より非常に大人びている、リーダージップのある事に学校の先生方は驚いておられました。

我が子は産まれてから19歳まで「家庭教育」「私立幼稚園」「公立小学校」「ホームスクール」「公立中学校」「公立全日制高等学校」「教育特区広域通信制高校」と様々な学びの在り方を経験して大人になりました。大学は、子ども自らの意志で行きませんでした。本人が希望していた大学はありましたが、そこを出てもどうせ同じ職業に就くつもりだからと、子どもの頃から夢見ていた「武道を仕事にする」に限りなく近い職場に入り、社会人として自立しています。

ホームスクール時代の事に対しては、あまり思い入れはないようです。親としては少し残念ですが、恥じたり隠したりしているわけでもなく、ホームスクールで育った事自体を特別視していないのです。考えてみると、自分の小学生時代にいつまでも囚われて執着している人は、あまりいないでしょうからそれも自然な成長でしょう。

私自身は、もしこの先孫でも生まれた時には、またホームスクールに対する需要があるのではないか、きっとそうなるに違いない、なったら良いなあと考え今もホームスクールについて学び続けている次第です。それとともに、当時、我が子を異端とし廃除せず見守り支えて下さった地元の方々、教育関係者(両者ともホームスクールがいかなるものなのかを遂に理解せざるままではありましたが)に対し、福祉や不登校関連の活動をさせていただく事でご恩返ししている最中です。

 

ホームスクールは、人類が最も長く行ってきた家庭教育ではありますが、産業革命後に誕生した公教育・学校制度が目指す「工業化社会に適応する標準化された人材育成」といった視点とは立場を異にする教育方法であり「子ども自らの学びに対する発意を尊重し、何を学ぶか、どのように学ぶかなど、その子が持って生まれた個性に沿い、能力を開発し育成をサポートする」一見非効率で時間も手間もかかる教育方法であるため、徐々に実践する人が少なくなってしまいました。

ところが、インターネットによる産業革命がおこり、ありとあらゆる産業が一気に世界化しはじめました。私たちは、地域や国といった枠をはみ出た「世界」という大きな社会を構築している人材の多様性を柔軟に受容することを求められ、またそれに対応できる多様な人材として自ら学び続ける事を求められる「生涯学習」の時代に今や生きているのです。欧米などはその新しい潮流を見据え我が国に先駆けて、様々な試行錯誤を経てですが教育改革をなしました。

その中にホームスクールという教育方法が再び見出されていて公教育の一つの選択肢となってきています。また、ホームスクールをしなくてもすむ程に、画一化集団化ではない子どもの個性と能力に合わせた個別指導教育が基本の学校も生まれてきています。私個人としては全くうらやましい限りです。時代時代に求められる人材像は常に変化していき、その潮流に合わせて学校制度が頻繁に改革されるという事は極めてまれです。国家によって人材育成に投入できる教育予算にも格差があります。学校がどのように多様化し進化しても、学びの主体である子ども達や、それをサポートするご家庭のホームスクールに対する需要は今後も教育あるいは学習というもののトレンドとして常に一定数存在し続ける事でしょう。

我が国日本でオルタナティブな学校やホームスクールが学校と同列の選択肢として公教育に組み込まれるにはあと少なくとも10年は時間が必要かと個人的には考えています。けれど、必ずその時は来ると確信しています。まだまだ、公的に整備されていない、ホームスクール環境ですが、実践家庭による各々の我が家流が、道なき荒野に道を開いていく幾筋もの足跡となっていく事を願っています。