書籍「子どもが学校へ行きたくなくなったときに読む本」

ホームスクールの最初に一歩を示す教科書であり米国のスタンダードなホームスクール本。
「子どもが学校へ行きたくなくなったときに読む本」

皆さまこんにちは、理事の岡田です。本日は当協会が会員様にご提供してきたホームスクールの教科書と言える一冊の本についてご紹介いたします。当協会の理事長である日野公三がロサンゼルスにて著者のレパート夫妻にお会いしたのは、まさに新世紀に突入した2000年のことでした。当時の事を数年後の日野はこのように回顧しております。

[レパート夫妻が発行したフリーペーパー『ザ・リンク』は全米をネットワークするホームスクールに関するメディアです。アメリカのホームスクーラー(ホームスクール実践家庭)の特徴は、教育の権利と責任に目覚めた人たち特有の前向きさです。自らホームスクール関連の出版事業やWEBサイト事業を始める人は枚挙にいとまがないほどです。

『ザ・リンク』のルパート夫妻もそんな人たちの一人です。わが子をホームスクールで育てようと思ってまもなく、媒体発行を始めました。ご主人が前職のキャリアを活かして、印刷を担当、奥様の方が編集、取材を、そして広告営業や部数拡大の販売促進はお二人でなさったのです。『ザ・リンク』はまたたく間に、全米でも有数の部数を誇るホームスクール界最大の媒体になったのです。その『ザ・リンク』主催の、ホームスクール・カンファレンスは、全米各地で、年に何回か開催されています。

私たちが参加したロサンゼルスでのカンファレンスでは、約2000人の家族が集まり、3日間にわたり、事例紹介、ワークショップ、家族の交流などが盛大に行われていました。

彼らが隔年に出版する『HOMESCHOOL ALMANAC』は固定読者に支えられたベストセラーで、バーンズ&ノーブルの本屋さんでうず高く平積みになっていたのでびっくりした。

日本での翻訳・出版権をいただき、われわれスタッフで翻訳、出版したのがこの本。時間とお金のかかるプロジェクトでしたが、日本のホームスクールにも当てはまる内容だったので、翻訳出版することにいささかの迷いも感じませんでした。

中味を読むと、家庭教育の真髄が語られ、まったくといっていいほど陳腐化していません。

日本ホームスクール支援協会メンバーズ記事(2014.6.22)より転載。]

この本の中には、「どうして学校に行かせないの?」と聞かれたら・・・・という項目があります。世界各国で最もポピュラーな学校教育ではなく、ホームスクールという在宅教育を我が子のために選択した人々。彼らに投げかけられる言葉の一つにこの「どうして学校に行かせないの?」があります。「我が家は、学校ではなくホームスクールを選択したからです。」と答えてもなかなか相手は納得してくれません、逆に「何、そのホームスクールって?」と訝しげに聞き返してくるでしょう。この件に対して「子どもが学校へ行きたくなくなったときに読む本」の中に大変興味深い事が書かれています。

[友人や親戚たちに、「どうして子供たちは学校へ行かないのか」と聞かれると、あっさり「学校へはやらなかったんだ」と答えました。たいていの場合はそれですみましたが、さらに食い下がられると、しかたなく、よく考えもせずに、ときには挑発的な感じで、「息子たちは、家でとても多くのことを学んでいるので、学校で時間をつぶす暇などないのですよ」と答えました。・・・・※1
「あるとき、レイモンド・モーアと名乗る人物から電話を受けました。そして、モーア博士と妻のドロシー夫人が長年提唱してきた考えを、私たちが実践してきたのだと教えられ(中略)私たちの行ってきたこと、それは、ホーム・スクーリング(原文のまま)と呼ばれるものだというのです。」※2

※「子どもが学校へ行きたくなくなったときに読む本」2P1の10行目より抜粋
※「子どもが学校へ行きたくなくなったときに読む本」3P2の16行目より抜粋 ]

皆さんは、上の言葉は誰のものだとお思いですか、ホームスクーリングに対して知識のある方ならご存知の「楽園のつらい日々」の著者デビッド・コルファックス氏※3 ご自身の言葉なのです。ご夫妻も当初、ホームスクーリングという観念を全く知らないでおられたことが窺い知れます。

ホームスクールという教育形態は、学校教育制度を各国が導入する以前の人類が古来より自然に行ってきた家庭教育なのです、しかし「ホームスクーリング」という言葉自体が定着していたわけではありませんでした。「ホームスクーリング」という言葉は、1977年にジョン・ホルト氏※4 が作り出した言葉だったのです。

※3デビッド・コルファックス:ノンフィクション「楽園の辛い日々」(農文協)の著者。米国人。当時ラジカルとされた政治信条ゆえに大学を追われたデビッド・コルファックスとその家族は、北カリフォルニアの山中で47エーカーの荒れ地を切り開いて自給自足の生活をはじめました。当時米国では普及していた「水道・電気・電話」が一切なしの生活の中、自分たちで家を建て、田舎暮しをはじめました。人種の異なる二人の養子を含む四人の子どもたちは、現地の学校には通わず、日々の労働から興味を広げる形の学習方法で生きるために必要な知恵と知識を身につけて育ちました。その後、その学びを基にして四人の子どもたちのうち三人がハーバード大学に進学していきました。そのことは全米に衝撃を与えました。

※4ジョン・ホルト:米国NY生まれ(1923年4月14日- 1985年9月14日)、米国の著名な教育者であり教育評論家です。教師経験を経た「ホーム・スクーリング運動」の創始者。その理論と実践のリーダー的存在です。