8歳の息子の決断と覚悟|ホームスクール体験談

ホームスクール体験談
この記事は約3分で読めます。



理事の岡田条子です。
今は成人し就職して自活する息子がいます。小学生時代にホームスクールをしていました。その後、高校時代にも通信制高校に在学しホームスクールのスタイルを維持していました。

我が家が息子の不登校から発したホ-ムスク-ルに入る直前。
息子(当時8才)が「俺が学校に行かないことが、何か法律にひっかからないの?警察に捕まるとか。」と聞いてきました。
(実は当時住んでいたアパ-トの隣人はなんと単身赴任のA市の警察署長さんだったのです。毎朝、定時に警察官がお迎えに来ます。)
その一言から私は猛勉強しました。

その結果「義務教育の責務は国と親にあり、子供本人には義務教育を受ける権利がある」という事を学び、息子にそれを伝えました。すると息子は「国から自分に与えられた権利」を使わないと決めたのです。

さらに、自分が学校に通いたいと考えた時に、勉強をしていないので戻れないことがないように、また、勉強するのが嫌いだから怠けたくて学校に行かないと思われるのは嫌だからと、家で勉強したり、習い事もスポ-ツもそのまま続けると決めました。一時、家庭教師の方に来ていただいた事がありましたが息子自身の学習ニ-ズに気付かず、要らぬ登校刺激をするためお断りしました。

ホ-ムスク-ルを知ってから、その種類を私に説明させておき、自ら「アンスク-リングっていうのは俺しないよ。しまじろうやドリルをする。」と言いました。学校の先生が心配するから教育相談に通ったり、地元のフリ-スク-ルに通ったり、となりまちの適応教室に通ったりしながらも、不登校を考える大人の集まりにも参加して話を聞いたりしました。

「よく考えんで俺の真似したいとか言って親や先生を困らせる子(同級生)が絶対でるから、俺は同級生の子にはもう会わない。皆には俺の事は忘れて貰う。」などと周囲に与える影響をも考えて行動していました。その上、「学校に無理矢理戻されるなら、忙しい先生の隙をついて死ぬ。死ねる場所も方法も知っている。」とまで言い切りました。

8才でここまで考えて行動してしまう子に、一体どんな対応を当時のA市教育委員会は考えて下さっていたのでしょうか。学籍のある学校の校長先生からはかなりのプレッシャ-をかけられましたが、その他には特に妨害されるような事もなく、辛抱づよく見守っていただきました。

ホ-ムスク-ルを始めて数年後のある時、当時の在籍校の校長先生(前出とは別の方)が、息子がその日の習い事に出掛ける所を偶然ご覧になられたそうです。
「あの子はどうやって暮らしているのか?」と常々お気にかけて下さっていたとの事ですが、息子が満面の笑みを浮かべながら生き生きと出掛ける様をご覧になって、なんだか幸せそうに元気に暮らしているようだとほっとなさって下さったと人伝に伺いました。

残念ながら私は、一度もお会いした事がない先生なのですが、今でもその校長先生のお気持ちを有り難く受け止めております。

 

タイトルとURLをコピーしました