落ちこぼれが出ない学び方を|YES International School トークセッション&インタビュー第3弾!



YES International School
トークセッション&インタビュー第3弾!

落ちこぼれが出ない学び方を

竹内薫氏×茂木健一郎氏×鈴木光司氏×田森佳秀

YES International School東京校の学校説明会で行われた竹内薫氏と茂木健一郎氏のトークセッションの後半を公開します。

前半はこちら「生きていく力は学び続ける力」
http://homeschool.ne.jp/keyperson5/


竹内:うちが使うEducation City、これはオンライン教材です。お子さんが自分で進められるし、先生にとっても資料がたくさんあるし、親御さんが常にモニタリングできるんですよ。テストの結果とかも長時間にわたって、どのように勉強してるか、何を勉強しているかがわかるんですよ。

 

茂木:え!1か月後に自動的に削除されるんじゃないの!?
あぁ、それはメールか、財務省の。(笑)

 

竹内:大丈夫。(笑)このEducation Cityは完全にホームスクールのための教材。だから個別に対応できる。個別の進路に沿ってできるのは良い。そうすると、インタビュー(前回のインタビュー記事)でも言ってましたけど、落ちこぼれが出ないんですよ。
その子どもの進み具合で行くので。それはベストだと思うんです。ホームスクーリングのいいところは、落ちこぼれが出ないだけではなく、効果がすごくあるというところ。普通の学校と比べて効果がすごくある。

 

茂木:それはエビデンスでしっかり結果が出ている。(※1)
普通の学校より、ホームスクーリングしている子の方が平均点数が高い。

 

竹内:だからホームスクーリングなんだけど、場所を提供し、授業もやる。融合型を目指す。先生は本当に色んな先生がいて、ネイティブの先生に関してはITの専門の先生がいます。ITの会社を辞めてきてくれました。カリフォルニア出身。あとハワイ出身の先生も。他にも数名います。
講師陣に関しては、例えば僕と茂木の共通の友人である田森君という物理学者がいます。その人は、PC組み立てから始める数学プログラミングを教えてくれます。
あとは外部講師の方も多い。バレエはSHOW BALLET JAPANの本物のプロのバレリーナの先生。カポエイラの先生もACCCというところから師範の方が来られます。それから芸術に関しては、井上ちぃさんという方。プロの方々が来て教えてくれる。
普通の小学校ですと、一人の先生がずっと教えるじゃないですか。それって無理があるんですよ。自分の専門でないことを全部教えるわけですから。
それだとダメかなと思うので、専門の先生が来て教えてもらう。講師陣に関しては自分で会って、この人なら任せられるという人を選んでいます。
数学プログラミングを教えてくれる田森先生は、ある意味、一生、探究型の人。
彼はね、九九の探究をしたんです。小学校の時に。
クサン(9×3)って覚えてる?サンク(3×9)の方?両方覚えてる?

 

茂木:うん。彼(田森先生)は片方だけにしたんだよね。

 

竹内:そう。田森君は片方しか知らないんですよ。本当に。
彼はね、9×3は知っているんです。でも3×9は知らない。
3×9を計算するときは頭の中でひっくり返している。9×3=27をやって3×9を出す。
でね、僕は逆です。僕は3×9しか知りません。9×3を知らない。9の段で覚えているのは9×9=81だけなんです。それしか覚えていないんですよ。全部反転すればいいだけなんで。九九の表は半分覚えればいいんです。
田森君の凄いところは、彼はね、これを9の段からいくんですよ(笑)
九九の掛け算の探究を9の段からやっていったの。まず、9×1=9は10より1個足りないんだと考えた。9×2は20から2つ足りないんだ。次は30から3つ足りない、そうやって自分で考えてパターンを見つけた。9の段から彼は探究して制覇していったんです。そうやって9の段からやっていったから僕とは反対の、(九九の表の)対角線の半分を覚えた。それで、残りはそれをひっくり返せばいい。
それが探究ということだから、その人のやり方でやればいいんですよ。

彼は、物凄く数学的な人で、僕も相当数学やってきたし、プログラミングも得意なんだけど、だけど田森君のプログラミング能力、数学の能力はちょっとね、違うんですよ。超人っぽいんですよ。こいつ凄いな~!って思うんです。
彼はね、ずっと探究でやってきたからそうなっている。
彼は計算は早くないかもしれない。でも物凄くたくさんの計算ができるし知っているんですよ。それは彼が探究してきたから。

竹内:茂木健一郎の九九の覚え方と、竹内薫の九九の覚え方と田森佳秀の九九の覚え方は違うはずなんですよ。それでいいんですよ。それが探究だから。
学校っていうのは、それを子どもにやってもらう場を提供する。ちょっとヒントを与えたり、ちょっとこういうのもやってみようかって与えてあげると、あとは子どもが探究していくんですよ。

まあ、九九は暗記でもいいですよ。でも暗記した後も大事なんです。
九九の結果をずっと見ていくと、足りない数があるんです。抜けている数があるんです。13とか17とか。無いんですよね。何でですか?

それは、分解できない数なんですよ。
九九の表に載っているのはA×BはCだから、CっていうのはA×Bに分解できる。そういう数ではない数、それは素数と言います。だからあの九九の表に載っていない数を探究していくと素数って言う数が出てくる。
何この数?ってまた探究していく。
そういった勉強の仕方が重要なんであって、あの表を早く覚えて使えることが重要なのではないんですよ。

数学も物理も嫌いになっちゃう人が多いのは、みんな公式を暗記させられちゃうから。公式の暗記は、あれは物理学じゃない。数学でもない。
公式を覚えるのはいいんですけど、どうしてその公式に導かれるかを自分で探究していくのが楽しいんです。

あ、でも、あんまりやりすぎると・・
田森君ね、岩波の数学の公式集を全部検証したんですよ(笑)全部自分で解いたんです。それで、間違っているところを見つけて岩波書店に送ったんですから(笑)それは楽しいからやってるんですけどね。

社会的に成功する子に育てるために

茂木:今ね、竹内の話を聞いて思い出したんだけど、僕は脳科学の専門なので、子どもの学習についての論文は大量に読んでいるんだけど、こんな論文があるんです。
ある子供がね、どれくらい社会的に成功するか、それって実は親とか大人が提供する社会的な知識とかスキルとかネットワークがかなり重要だってことがわかっているんですよ。
でね、今度、カナダの画家の映画が日本で上映されるっていうんでその映画の監督が僕のラジオに来たんだけど、話聞いてたら、エージェントから脚本が送られてきて、10ページ読んだだけでこの映画撮ること決めたって言ってて。
子どもがね、映画に興味があって「ハリウッドの何かに関わりたい」って時に、世の中は英語で書いたスクリプト(台本)がエージェント通して色んな監督に送られていて、その中で色んな関係者がそれを読んでいて、その中で作りたい映画を作るというシステムになっているんだってことを知ってるか知らないかでその子のビジョンって全然違うじゃないですか。
例えば、僕と竹内は、日本では出版物を大量に出しているので、日本で本を書くときに編集者はどういうことを求めているかわかる。タイトルは、著者のものではなくて、編集者とか営業が決めることなんだってことも、一般的には知られていなかったりするじゃないですか。でも僕たちはある程度、出版については知っているでしょう。あとテレビとかメディアのことについてもある程度、いろいろ分かっている。
世の中ってそういうことになっているんだって知識って、意外と子どもをぐーんと引き上げてくれることなんですよ。そこらへんは我々は提供できるスキルはある。

 

竹内:そういうのを教育の場で、実践していくことが重要だと思うんですよ。
だからそういう意味では、最初から先生になって、その世界にずっといるだけの人には出来ない。出来ることもあるかもしれないけど、でも社会で活躍する人、その道のプロの人が来て教えてくれることを僕は大切にしたい。

 

茂木:そういえばこの前、猿田彦珈琲の社長が来て、あの人ってもともと俳優やってオーディション受けまくっていて何百回って落ちていて、それで猿田彦珈琲やったんだって(笑)オーディションって受けられるんだって驚いた。
今回、堀江(堀江貴文氏)がR-1出たじゃないですか。あいつは2回戦で落ちちゃったんですけど、「茂木さん、あれ3千円ですよ!」って(笑)僕もシステム知らなかったんですけどR-1グランプリって3千円出せばだれでも受けられるんだって(笑)知ってました?

 

竹内:知らない知らない。

 

茂木:ていうことを知らないじゃん?僕も知らなかったんだけど。こういうことを知るってことが大事な気がする。皆さんも出ませんか?3千円ですよ(笑)

 

竹内:我々は学士入学(※2)しているんですけど、

 

茂木:あれも知らない人多いよね。

 

竹内:そう、学士入学って言うのがあるんですよ。それほとんどの人が知らないんですよ。知っていれば、事務局行って、どうすれば受験できるんですか?って話が聞けるじゃないですか。

 

茂木:世界の大学もIB以外にも何かお互いが認証しているものがあって、それだと大検(現在は高等学校卒業程度認定試験)受ける必要がないっていう裏技があるんですよ。でもそういうのって大学の入学要項とかに書いてあるんだよね。

 

竹内:それを探すのもひとつの能力。ズルじゃないんですよ。そういうのがあるんだから。それを使って生きていくというのも生きる力。でもそうじゃなくて、みんなが受験しているから、みんなで一斉に集まってそこを受験しましょうって、それで1点違ったら落ちますって、それって馬鹿らしいんですよ。それは多分、生きる力ではない。

 

茂木:最近僕が見聞きするのは、ハンガリーの医学部に行くって子が増えている。ハンガリーの医学部の教育って英語でやっていて、無料だそうですよ。日本人でも最近行く人がいるみたいです。それで、日本の医師免許に書き換えもできるらしくて。そうやって、いま色々あるんだよね。ルートが。

 

竹内:あ、田森君が来ました!

 

(田森佳秀氏が会場に到着されました)

 

茂木:あ!田森!彼が天才数学者です。

 

竹内:彼が教えてくれる授業を受けられるってめちゃめちゃ大変なことなんですよ。

 

茂木:ほらこっちきて!きて!

 

(ここから田森佳秀氏も登壇します)

 

竹内:授業で彼とPCをゼロから組み立てていくわけですけど、

 

田森:ゼロっていっても部品からは作らないけどね。

 

竹内:半導体からは作れないけど(笑)それでLinux上のMathematica(マセマティカ)※3でやるんですよね。

 

田森:Mathematicaでね。あれはすごく良いですよね。

茂木:ねえ、田森、ホットウォレットとコールドウォレット(※4)って何?

 

田森竹内:(笑)

 

田森:ざっくり言うと、コールドウォレットは・・・いま僕の鞄の中に入っているけど

 

茂木:え!入ってるの?コールドウォレット!?鞄の中に?

 

田森:うん、入ってる。

 

茂木:仮想通貨持ってるの?

 

田森:うん、持ってる。

 

茂木:トレーダーなの?

 

田森:トレーダーじゃないよ。僕はそういうのは嫌いだから。

 

茂木:コールドウォレットがあるの?鞄の中に。

 

田森:あるよ。あれが一番安心だもん。

 

竹内:田森先生は、超ド級です。数学も本当に天才です。我々も数学出来る方だけどね。彼は本当に違う。あとね、子どもに教えるのもすごく上手い。これは本当に上手でね、子ども達が食いつくように来るんですよ。

 

田森:それね、僕ね、教えないからですよ。

 

竹内:そう、まさにそれですよ。探究でしょ。子どもたちが探究を始めるんです。

 

田森:教えないで、教わるの。それがいい。

 

茂木:そろそろ時間かな。校長、最後に何かメッセージはありませんか?

 

竹内:メッセージ・・全部話してしまった気もしますが(笑)午前中はうちは親子クラスもあります。未就学児クラスも午前中にあります。午後、幼稚園が終わってから学童に来ていただいても受け入れ可能です。4歳か5歳の子たちも学童のプログラムを受けられるので、やっぱり、本物に接してほしいなと思っています。本物の先生に教わってほしい。うちには本物の先生がたくさんいるので、ぜひ来てほしい。個別でホームスクーラーが集まるひとつの場所みたいな形でやっていけたらと思っています。ぜひお友達にも興味がある方がいたらぜひ一緒にいらしてください。ありがとうございました!


(※1)ホームスクールの学力エビデンス資料・・・https://hslda.org/docs/study/ray2009/

(※2)学士入学・・・大学などで学士号を取得した者及びその予定者を対象とした編入学制度。

(※3)Mathematica・・・マセマティカ。理論物理学者のスティーブン・ウルフラムが考案し広く使われている数式処理システム。Mathematicaというのはソフトウェアの名称。

(※4)ホットウォレットとコールドウォレット・・・仮想通貨のウォレット(財布)の管理方法。ホットウォレットは常時ネットワークに接続された環境にあるウォレットのことで、コールドウォレットとはネットワークから隔離された環境に秘密鍵を保存しておくことや残高確認専用のウォレットのことをいう。


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