日本ホームスクール支援協会にかける思い
子どもたちを教育の対象ではなく、学習する主体と考える
2000年NPO日本ホームスクール支援協会が誕生した年のこと、アメリカからゲストを招いて講演会を開催しました。ゲストはキャシー尾山さんといって、日本人と結婚してロサンゼルスでホームスクールを実践している方でした。当時、9歳から3歳まで4人のお子さんがいました。
キャシーさんのお話の中で印象に残った話がありました。
- ホームスクールによって成績が上がり、はっきりした成果が出やすい。
- 教育には「教える」側面と「育てる」側面があるが、現在はそのバランスが崩れている。
- 親が子どもと身近に接してみると子どもの気持ちがよくわかる。
- もちろん、毎日顔を向かい合わせているとぶつかることも多い。
- しかし、だからといって学校のような集団行動を要求される社会だと表面的な解決が多いが、ホームスクールだとお互いに我慢せずに議論し合えるし、傷によって絆が深まる。
- 親はいつ「親」になるのか?→それは子どもが生まれた時である。
- しかしそれは親になった入り口である。
- 親であることは一生涯続く、親もまた子どもと一緒に学んでいる。
- 子どもからも学んでいるのである。
そして、最後に、こんな話も。
- 人生の終わりにあなたは何を考えますか?
- たいがいの人は「もっとお金儲けをしたかった」「もっと出世したかった」と思うのか?それは否、である。
- 何を思うか?「もっと子どもと、もっと家族と一緒に過ごしたかった」ことである。
- あなた方が愛する子どもを本当に大切にしたいなら「子どもに、釣った魚を与えるのでなく、釣り方を教えるべき」それが先に死んでいく親のつとめである。
わが国の教育をめぐる風景と風向き
我が国の教育をめぐる風景と風向きは変わりつつあります。
その一つがホームスクールの波です。
学校に行かない選択が堂々とできるようになっただけでなく、旧来の学校よりもより学習を保証してくれるものとしてわが国でも広がっています。
それは子どもたちを教育の機会を受ける対象としてではなく、学習する主役たる主体としてみる考え方です。
学校に依存しすぎていた考え方を修正する考え方なのです。
個別化し、学校が用意したカリキュラム、教師、では学習ニーズが満足されない子どもたちの気持ちを汲み取り、聖域化していた「子どもたちの学習内容」に親達がコミットしていこうという考え方です。
AIの登場、新しい時代へ
インターネットを使用した学習が最盛期を迎え、AI技術が飛躍的な進歩を遂げています。
こういった技術が、私たちが生涯学習し続けていくための相棒として欠かせない時代が幕を開けました。
ホームスクールの波は、「少し変わった価値観の人たち」「学校嫌いの人たち」だけでなく、高い意識の人たち、あるいはごくごく普通のどこにでもありそうな家族の間にも広がっていきます。
ご支援、ご協力を引き続きよろしくお願いたします。
日野 公三
NPO法人 日本ホームスクール支援協会 理事長