今日のテーマはホームスクールでもたびたび悩みの種とされる「自学自習」についてです。
ご家庭で学習することが基本のホームスクーリングですが、子ども自身が自分の力で能動的に学習を進める、というのはなかなか難しいことです。
でも大丈夫、今日は、そんな自学の環境はどうやったら作っていけるのか、考えていきたいと思います。
「勉強はさせるものではなく、自分でするもの。」
こういったポリシーをお持ちのホームスクーラー、結構多いのではないでしょうか。ただ、これは言い聞かせているだけでは子どもはなかなかうまく学習することができません。
効果的に学習を進めるために必要なことは、勉強の方法を知ることでもありますが、それ以上に重要視したいのが家に勉強したい環境が整っているかどうかではないでしょうか。
今日はいくつかのチェック項目をリストアップしましたので、こちらでホームスクールの子どもたちを取り巻く学習環境の確認&メンテナンスをしてみましょう!
子どもが自分の能力を信じて学習に臨めるか
ホームスクールで大事にしたい力の一つに、その子自身が自分の興味や探求心を思い切り深堀できるかどうかがあります。興味を持った事柄について粘り強く取り組む姿勢って素晴らしいですよね!
こういった粘り強さ、もとい学習の持久力の支えになるのは「自信」です。
「自分ならできる!」「楽勝だぜ~!」
こういった、自分の能力を信じているかは自学力の基礎です。
このような自身は一朝一夕で育むことはできず、小さいころからの継続的な周りの声掛けが必要になってきます。
「自分の力を信じなさい!」「君なら必ずできる!」「もしできなくてもサポートするからチャレンジしてみなよ!」など、自信を持てるような声掛けを大事にしたいですね。
親子で何でも一緒にできる伴走力はあるか
ホームスクールにおいて、はじめは親がサポートをしながら学習を進め(伴走期間)、徐々にインターネットや社会リソースを使って自学していくスタイルがスタンダードになってくるかと思います。ちょうど、飛行機が滑走路を走り、時が来たら離陸して空に飛び立っていくようなイメージですね。
この伴走期間は非常に長いです。少なくとも、小学生のホームスクーリングにおいては6年間ほぼ伴走が必要といってもいいでしょう。とても長い時間親子で過ごすことになります。
その中で、親子の信頼関係の構築は言わずもがな、非常に重要です。
時には一緒に歌ったり、踊ったり、本を読んだり、大人が全く興味のないことでも子どもの興味に寄り添うために詳しくなる必要があったりします。インターネットでの調べことはすべて子どもの言葉に翻訳する必要がありますし、難しいテーマについて深く考える必要があるときは、大人も自分の意見を持たないといけません。
この伴走期間でいかに学習の仕方を大人から学べるかが、将来的な自学力につながるといえます。
大人がそもそも学んでいますか?というところ、メモです!
ホームスクールのサポーターを作ろう
ホームスクールは残念ながら国内での理解がまだまだ乏しく、夫婦間や親族間でも強く反対されることがあります。いわゆる登校圧力というものでしたり、学校に行くことが「普通」=ホームスクールは「異常」という保守的(伝統的?)な考え方です。
そういった、逆風の中で、子どもに自学を迫るのは少し酷です。
当たり前ですが、一生懸命やっていること、やりたいことであれば、周りは応援してあげてほしいですし、少なくとも否定的な表情は子どもの前で出す必要はありません。逆説的に言えば、ホームスクールという学習方法を選択した子どもに対して、反対することのメリットがないからです。
できれば、家族内(祖父母やいとこ、叔父や叔母など)でも広く理解とサポート体制を得られるように保護者としては立ち回りたいところです。
ホームスクールでは「お母さんと子ども」で孤立しているケースが多く見受けられます。大人一人ではやはり限界があるのが現実。多くの大人を巻き込んで、目の細かい学習の応援団を用意してあげたいですね。
ゲームやネットの利用にはルールを設ける。
自学に絶対的に必要なものとしてインターネットの存在があります。しかし、これは諸刃の剣で、ITリテラシーやコンピュータの学習への使用方法を正しく理解しないままに触れていると、子どもにとってはただのおもちゃになってしまいます。それも恐ろしく膨大な時間を吸い取るおもちゃです。
ゲームやネットからも学べる。確かにそうなのですが、また一方で、興味の幅の狭い(まだ見つけられていない)伴走期においては、好きなものの固定化につながってしまいます。ゲームやネットは当然エンターテイメント性が高く、人の目にはとても素晴らしいものとして映ります。面白く作られているので、面白いのです。
ここに時間をかけすぎると、「自分はゲームに強い興味がある」「動画が大好きだから自分はこれに向いている」と思ってしまいます。このいわば錯覚のような現象はネット付けになりやすいホームスクールではよく目にします。
感受性が豊富で、好奇心も強く、様々なことに目を光らせることのできる貴重な時間は限られています。この時間でいかに「自分の好きなもの」に出会えたか、実際に手に触れて、肌で感じ、体験できたか、ということが長期的な自学力、探求心の形成に必要なのではないでしょうか。
インターネットは常に触れられるところにあります。これから先、ずっと。
自学力の基礎ともいえる興味を育てたいのであれば、幅広く、様々なものに触れていきたいですね。優先順位を何に置くかをよく考え、使用のルールや制限を設けることで、インターネットやゲームとの付き合い方を学ぶ必要があると思います。
「学習」は楽しいものであるか?
ここでいう自学とは、つまり「自分から好きなことを調べ、学んでいく力」を指しています。
これができるようになるためには、当然「学ぶこと」それじたいが「楽しいもの」でなければなりません。
したがって、ホームスクールで自学力を養うためには「学習」に対して常にポジティブでいたいですね。やっていて、「楽しい!」と思えるような環境設定です。
子どもが学習を「楽しい」「もっとしたい」と思えるようにするにはどうしたらいいのか?
これは、意外と簡単にできるんです。
それはズバリ、「子どもがしている学習に大人が興味を持つこと」です。
「これって何?」「何してるの」「どういう仕組み?」「なんでそうなるの?」「もっと教えて!」etc…
こういった声掛けを日常的に行い、子どものやっていることに親(大人)が興味を持つと子どもは自分でどんどん学習してくれます。面白いですね。
決めたことはしっかりやろう
最後に、子どもたちの自学力は伴走期の親のサポートによって培われるということを再度強調しておきたいと思います。
ホームスクールでは、スケジュール管理や、学習の管理などを子どもにやらせると思いますが、そういった「自分ルール」がきちんと達成できているかのチェックは大人が行うべきでしょう。
私たち大人にも言えることですが、誰も見ていなければ人はだらけてしまいます。学校では、先生や周りの友達など、いろいろな人の目があるので「きちんとやろう」という意識が芽生えやすいですが、安心安全な家庭ではどうでしょうか?
自学力は言い換えれば、興味関心に対する粘り強さです。この粘り強い学習をする唯一理由は「自分が決めたことをあきらめずにやり遂げたいと思うかどうか」です。評価する人は自分なのですから、「やっぱあきらめよ!」「めんどうくさくなっちゃったな!」というマインドを見逃してばかりいると、どうしても自分に甘くなり、なかなか自学を達成することができなくなってしまいます。
なので、子どものうちから、大人がしっかりと目を光らせてあげることが大事になってきます。
以上、いかがでしたでしょうか?自学力を伸ばす素晴らしきホームスクールライフの参考に少しでもなりましたら幸いです。