こんにちは、理事の佐々木です。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、今日から協会のホームページがリニューアルしております!現在さらに見やすく、使いやすく、を意識しながらアップデートをしておりますよ~。
会員の皆様におかれましては、「こんなトピックの記事が欲しい」などあればどんどんリサーチして掲載していきますので、どしどしご意見をくださいね。
さてさて、今日のブログのテーマは、「好きなことを早く見つけることってできるの?」です。
好きなこと=興味や関心を見つける、というのはホームスクールにおいては核になるものですよね。
それを早い段階で見つけられたら、素晴らしいことだと思います。でも、そんなことって実際可能なのでしょうか?知りたいですよね~。一緒に見ていきましょう。
興味を見つけるためのアプローチ
子どもの強い興味に寄り添った教育こそ、ホームスクールの醍醐味です。安心できる家庭でほぼ無限とも思える膨大な時間を子どもの好きなものに向けられるなんて、なんとも素晴らしいですよね。
強い興味はやがて将来の大きな強み・技術に代わっていくでしょう。例えば、本好きな子が執筆に興味を持ち小説家になった、なんてストーリーはいかにもな感じで、一般的にイメージしやすいでしょう。
しかし、そういった強い興味はどのように見つけていったらよいのでしょうか?
それも人生の早い時期に将来本人の強みとなるようなカテゴリーを見つけ出し、磨き続けることは可能なのでしょうか?
興味のアンテナを広げる
興味を見つけるには、そもそもインプットが必要です。興味のもととなる学習機会をたくさん提供してあげることがホームスクールでのファーストステップになるとも言えます。
本など伝統的ともいえる媒体からの情報はもちろん、今時だと、YouTubeやオンデマンドの動画などインターネット媒体から「こんなことをしてみたい!」という興味を持つことが多いのではないでしょうか?
わかりやすい例としては、ゲームなどがありますね。子どもは動画や友達から仕入れたゲームへの好奇心が募り「このゲームをしてみたい!」と言います。
ゲームそのものはもとより、プログラミングや、RPGのストーリー制作、もしかしたらイラストや声優、演技、などなど幅広い分野への興味へと発展していく可能性がありますね。
ゲームに限らず、子どもにとって、日常で触れるほぼすべてのことは興味の対象になりえますから、1つ媒体に集中せずにアンテナを広げていくことが子どもにあった本当の「好きなもの」に到達する早道なのかもしれません。
でも、あれ?そんなにいろいろなものに触れてばかりいたら、早いタイミングで「強い興味を見つける」ことなんてできるのでしょうか?
続きを見ていきましょう。
いろいろな可能性を考える
世の中には分野で言っても、ものすごい量の情報があります。そんな数ある情報の中から、子どもの性格や特性にあっていて、しかもそれが将来的に大きな強みになるとわかっているものに巡り合う確率は非常にレアなケースだといってよいでしょう。
具体的には、ゲームが好きだから、プロゲーマーを目指す、とかプログラマーになる、というのは割と短絡的な思考なんですね。(子どもはそう考えます。)
私個人としては、親としてはもっともっと広い分野にまで可能性を残しておくべきだと思います。
例えば、子どもがゲームが好きな理由を考えてみましょう。
可能性としては以下のようなことが挙げられます。( )で書いたのは、その子の特性や興味の可能性です。
- 出てくるキャラクターがカッコいい(キャラクターデザイン、絵などに惹かれている?)
- ストーリーが面白い(物語性、ストーリーに興味がある?)
- ゲームに出てくる音楽が好き(音楽系の興味?)
- 練習して、強くなっていくのが面白い(コツコツ極めるのが好き?日々の積み重ねを通しての自分磨きが得意?)
- ゲームに感動(自分で作ってみたい?プログラミングに興味がある?)
- 武器や、モンスターのステータスについて考えるのが面白い(論理的思考力?数学的な興味、データが好き?)
- キャラクターやモンスターを育てるのが好き(育成、農業、資材管理などが得意?)
- ゲーム実況をやっているYouTuberが好き(動画編集、エンターテイナーへの興味?)
- 単純にゲーム以外に楽しいものを知らない。
などなど…
ひとえに、「ゲームに対する興味がある」といってもそのゲームの何に惹かれているのかは、子ども本人も親もわからないことが実は多いのではないでしょうか?
では、命題に戻ります。
早期に将来力になるような強い興味を見つけることは可能なのか?
強い興味を見つけること自体は可能だとは思いあますが、これを早期に躍起になって見つけようとするのはあまりお勧めしません。
なぜか。
できるだけ明確な言い方をすると、
早期のタイミングで強い興味を見つけられるのであれば、それは素晴らしいことだが、アンテナが十分に育ち切っていない早期教育の段階において、一生目指していくようなゴールを無理に定めることは賢明ではない。
ということになるでしょう。
フランクな言い方をすれば、
興味なんてコロコロ変わるし、現段階でできことは限られているのに、目標を早く決めるのはナンセンス。
です。
早期教育では対象を定めずに、様々なものに触れておく、別の言い方をすれば点を作っておくことをお勧めします。
興味関心はそもそも○○がないと育たない⁉
ゲームが好き、動物が好き、サッカーなど特定のスポーツが好き、というお子さんは本当に多いです。単純にそういった活動や体験を通して、楽しさを感じていることもありますし、何より自分ができることをお父さん、お母さんが喜んでくれます。そういった、実体験をとおして、「好き」という気持ちがはぐくまれます。
つまり、将来の強み・自身・スキル、などの「生きる力」のもとになる興味関心を育てるのに必要不可欠なものは経験と、信頼できる人からの承認です。
経験には、時間の制約がある。
経験をたくさんすれば、興味を見つけることはできるでしょう。しかし、遊園地でジェットコースターに乗るにも身長制限があるように、子どもたちが体験できることにも、時間的(年齢的)な制限があります。
考えてみれば当たり前なのですが、運動能力が未発達の子がハングライダーの魅力を十分に知ることはできませんし、言語能力が未熟な段階でプラトンやソクラテス、シェイクスピアなどへの興味は育ちにくいでしょう。
そんな「わからないもの」よりも目の前のYouTubeに興味が向くのは当然のことなんですね。しかし、これをきちんと理解していないと「あら、うちの子はKポップに興味があるみたい!将来はダンサーか歌手かな?」なんてことになりかねないのです。
KポップもYouTubeも当然悪いわけはないですし、その時子どもが興味を持ったのであればダンス教室に入れてあげたりしてもよいと思います。
何が言いたいかというと、親はいつも「わからないけど、まぁやらせてみるか。」という心持が大事だということです。過度に期待しないでいただきたい。ということ笑
その一時の興味は、長い目で見た時には、子どもの成長にはそこまで大きくかかわってこないかもしれないですし、もしかしたら全然関係のないことかもしれません。(当然その逆もあります)
なので、期待せず、「将来には直接つながらないかもしれないが、点を1個でも多く増やそう」くらいの気持ちでいることが大事だと思うのです。
ジェットコースターの身長制限と同様、学習や興味の発達においても年齢の壁は大きく立ちはだかります。
その時できることを最大限応援してあげる。過度な期待はしない。
このスタンスは、子どもたちが身体的、精神的に成熟し、真の興味を見つけ、磨きはじめるときに響いてくるものだと思います。
早期に興味を見つけ特化することは良いの?悪いの?
小さいうちに興味を見つけることはとても良いことだと思います。
そして、その興味が一生続き、大人になってからもご飯を食べていけるスキルになるのであれば本当に素晴らしいことです。
しかし、覚えておきたいのは、そういったケースはレアケースであるということ。
私たち親は、子どもたちの可能性、選択肢を緩やかに、幅広く持っておくほうがいいと思います。
何か一つ、例えばピアノを小さい時から習わせる、ということは良いことです。本人が好きならなおさら。しかし、ピアノ一本にしないほうが良い、というのが個人的な解釈です。10年やって、別にやめてもいい、くらいの気持ちでいいと思います。
少し怖いことを言うようですが、子どものうちから何か1つの分野を磨き、期待されて育った子どもがいたとして、もしその子が青年期を迎えたときに躓いてしまったらどうでしょうか。
それは、一種のリスクであり、親をはじめ周りの大人によって選択肢を減らされてしまったことにほかなりません。
早期教育で誤解されがちなことに、「なんでも早く取り組ませるのが◎」というものがあります。しかし、小さい子どもの小さな体、小さな心、小さな頭には限界があるのです。
経験は積み重ねていくもの
経験は、積み重ねていくものであって、急に大ジャンプすることはできません。
今できることに一生懸命、できれば楽しんで、取り組むこと。親はそれを応援する。
ホームスクールをしていると、子どもの可能性に舞い上がってしまい、時に過度な期待をしてしまいがちですが、彼らは今日もちゃんと成長しています。
焦ることはありません。