スペシャルニーズの理解を深めよう
こんにちは、理事の佐々木です。
ホームスクールを検討される方にはさまざまな事情・背景があります。協会に寄せられるご相談でも、毎年一定数いらっしゃるのが発達障害など、特別なニーズを持つ子どもたちのためのホームスクーリングです。私は、これをスペシャルニーズホームスクーリングと呼びます。
ホームスクールは家庭での教育になりますので、スペシャルニーズとの相性が良いと広く理解されており、アジア圏のホームスクールでも同様に捉えられています。
ホームスクーリングは、スペシャルニーズの学習の直接的な解決法にはなりませんが、一助としては非常に強力なツールになり得ます。
この度、特集を組む形で、このスペシャルニーズにおけるホームスクーリングについて複数回に分けて、情報の発信をしたいと思います。
ちなみに、スペシャルニーズの場合、学校などの公的機関とホームスクールに加えて専門の機関との関わりが重要になってきます
special needs とホームスクーリングとの関連性をまとめています。イメージ的にはこういう感じで、特性の強いお子さんは学校(公的機関)+ホームスクーリング+ニーズに応じた専門の機関の3つのバランスが必要なんだと思います。 pic.twitter.com/ChGzx8UBv6
— 佐々木貴広/Taka Sasaki (@Tah945118) November 17, 2020
発達障害とは
発達障害とはなんなのか?インターネットを探せばいくらでも情報が出てくるようになりましたが念のためここでも触れておきます。
発達凸凹などとして「障害」という言葉を避けることもありますが、一旦そういった議論は傍において記載しますのでご了承ください。
発達障害とは、脳の機能に障害があることで起きるもので、一般に学校など集団生活における適応が難しいような状態を言います。フランクにいうと、多数決社会において理解され難い性格、強い個性などとも表現できます。
発達障害者支援法というものもあり、そこでは
「自閉症・アスペルガー症候群・その他の広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害・その他これに類する脳機能の障害」
との記載があり、さらに
それらの症状が通常低年齢において発現するもの
としています。
しつけ、云々ではない。
発達障害は、身体障害や明確な知的障害とは違い、障害が他者から顕在化しづらいという特徴があります。明確に障害者手帳を持っているわけでもないため、周りからの理解が得られず、情緒不安定なワガママな子といったみられ方をしてしまうことも多々あります。
しかし、障害といった点では、特性そのものは保護者の子育て方法やしつけの方法に起因するものではありません。
こういったお子さんと関わる場合、周囲の大人が発達障害について理解を深め、適切に対応できるかどうかが、その子の学習や成長に大きな影響を与えると言えるでしょう。
どんな傾向があるのか
ホームスクール はお子さんの特性に合わせてカリキュラムを自由に設定できることから、スペシャルニーズの家庭にとっては有力な選択肢になり得ます。
裏を返せば、今、スペシャルニーズの兆候が見られる場合、ホームスクーリングを視野に入れた教育プランをご家族内で検討されることも望ましいと言えるでしょう。
発達障害を持つお子さんに見られる行動傾向
以下のような傾向が見られるかセルフチェックしてみましょう。私の経験を通して、認知度が高い順番に書きました。
プレホームスクーラー期(小学校未満)
- 感情のコントロールが苦手。興奮(パニック)状態になりやすい。
- 話が聞こえていない、反応しない。
- 集団行動から逸脱する。(個人主義・自己中心に見える)
- 「〜〜をしてね」など年齢相応の指示が通りにくい。
- 音、匂い、光、人混みなど、外部刺激に過敏。
- 年少期において言葉の使用、理解が遅い。
- 落ち着きがない。
- 他の子どもと関わろうとしない。
ホームスクール期(小学生)
- パニックを起こしやすい。(大声で泣くなど)
- 忘れ物が多い。
- 整理整頓ができない。
- 授業中など本来立ってはいけない時間などに立ち歩いてしまう。(常識のような基本ルールが守れない。)
- 学習の遅れ。(これは「聞いてないが故の」など、複合的な理由だと思います)
- 集中力に欠ける(これは判別が難しいです。子どもって大体集中力ないので。)
判断はあくまでも定性的。よく観察を。
このように、発達障害かどうかの判断は傾向を見たうえでの「おそらく」という定性的な情報をもとにしています。したがって、「いつもそのような状態なのか」など、よく観察し、判断する必要があります。また、親の主観だけに頼らず、周囲との関係性の観察や、第3者の意見を聞くことが望ましいです。
子どもはいつかは社会に適応していかないといけないため、今、親にとって何ができるかを考えるというスタンスで、問題の早期発見と対応、学習環境の設計を考えていきたいですね。
次回は、学習障害の種類ごとの傾向と、対応についてまとめていきたいと思います。
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詳しくは、HoSA佐々木まで!