インターネット教育革命④「他国から学ぶ」

いま日本の歴史を学ぶのなら第二次世界大戦敗戦後の混乱期である。
それはいま私たちはバブルに踊って、未来への投資を怠ったつけで第二の経済敗戦を迎えているからである。
教育界も改革を怠り、狭い国内的視野のなかで未来への投資を怠ったつけで教育敗戦ともいうべきさまざまな現象を生んでいるのである。
また、幕末から明治にかけての世界史的にも見ても例のない社会変革の様子を学ばなければならない。
そこには世界中の優れた文化、産業、制度を研究し、取り入れた謙虚な学びの態度がある。
他の国から学ばない国はやがて衰退する。
Japan as NO.1と天狗になった日本はすぐに奈落の底に落ちた。
90年代前半かつての栄光を失ったかのように見えたアメリカの経済界は日本企業の強さの秘密を徹底的に解剖し、パソコン、ネットワークなどの情報通信産業を大胆に育成し、選手層の若返りに見事成功し、世界の頂点に再び踊り出た。
日本の文化、そのルーツはいつも海外からきたものばかりである。
日本古来の文化は数えるほどだ。
とりわけ、平安時代、安土桃山時代、戦国時代、豊臣時代などは徹底的に海外から学んだ時代なのである。
長崎に行って、シーボルトの足跡を訪ねて考えたことがある。
オランダは大繁栄時代に中国の景徳鎮や明時代の焼き物を大量に買い付け、ヨーロッパに持ち帰り、それがロイヤル・コペンハーゲンやチェルシーなどの磁器生産の道を開いた。
中国が騒乱の時代に入ると、長崎の伊万里、つまり有田焼が出島を通って大量にヨーロッパに流れ込んだ。
洋の東西を問わず、他国から教わったものだけが繁栄を享受したという事実が私の心にしみいった。
この1000年のあいだの後半はヨーロッパとアメリカの時代だった。
アジア、アフリカ、中南米からの収奪の歴史と考えるのは簡単だが、私は遅れていた欧米がアジア、アフリカの歴史、文化、資源に対するコンプレックスを取り払い、彼らから徹底的に学んだのだと解釈している。

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「インターネット教育革命」(日野公三 著、PHP研究所刊 1999年)より